外構はまだ終わっていませんが、新ジャンプライズ事務所が完成しました。
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既に新事務所に全てを移転し、業務再開しております。
当初引っ越し業者を頼む予定でしたが、仲間達が協力してくれてあっという間に終わりました。
前田夫妻、山田の親父、タワシ先輩、積田パパ&じゅん君、昌子の弟夫妻。
本当に助かりました。ありがとうm(_ _ )m
入り口には剥製達がずらりと並んでいます。
ヒラスズキ 101センチ10.91キロ
ヒラマサ 剥製実寸全長156センチ 50キロ
キハダ 剥製実寸160センチ 50キロ
真鯛 94センチ10キロオーバー
並べてみて思うのはヒラマサの迫力はとにかく別格です(笑)
胴回りの太さが異常なので同サイズのキハダよりも全然太い。
20キロ越えのヒラマサは国内外合わせて20本以上獲ってきたけど、マグロより太いヒラマサはコイツしか見た事ない。
こんなの死ぬまでにもう一本釣りたいですね。
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開発室が広くなったので様々な作業がとてもスムーズに進んでいます。
塗装ブースとホログラム転写マシンはこれから設置します。
11月中旬までには外構、開発専用プールも完成し全てが完成する予定です。
人数限定になるとは思いますが、年に数回、ジャンプライズ事務所内で定期的にルアーの開発工程、テスト工程等を公開するセミナーを開こうかと考えています。
一つのルアーを産みだすまでに私がどのような工程を辿り、どのような気持ちでルアーを製作しているか。
スケッチ、ハンドメイド作業、CAD設計、マシン削り出し作業、ルアーの溶着、ホログラム転写、塗装、スイミングテスト、金型データ作成に至るまで。
別に隠す事は何もないですし、興味を持ってもらえるのであればユーザー様に全て公開するのも面白いかと考えています。
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ポポペン95F、プチボンバー70Sと来年発売予定のNEWアイテムの開発が進む中、かれこれ二年以上試行錯誤してきたララペン125Fの開発も順調です。
このルアーのメインコンセプトはヒラスズキタックルで中型青物を狙う事!!
オールウェイク105マルチや108モンスターバトルのような曲がって勝負が可能な中弾性構造であれば、PE1.5号~2号を使用し、3キロのドラグ負荷をかけて中型青物と勝負する事が可能です。
当然アングラーの経験値に左右される部分も大きいですが、実際10キロくらいのヒラマサであれば制御も可能です。
当たり前の話ですが、ヒラスズキタックルバランスでフッキング率や貫通力を考えた場合、青物ロッドで使用されるようなSPXHやST66のような太軸フックは一切必要ありません。
物は試しで試してみましたが、やはりフッキングしないし、バレるし良い事が一つもない(笑)
ヒラスズキタックルで青物を狙うのであればジャンプライズトレブルMMH#3~RBH#3くらいのフック強度で十分です。
さて、少し踏み込んだマニアックな話をしましょう。
ダイビングペンシルはウッドとABSで良く比較されます。
実際ウッドプラグには優れた点も多くありますから以前は愛用していました。
じゃあウッド(木材)に対してABSや発泡は性能が劣るのか?
数年前ならともかく大きなプラグに関しては今の設計&開発技術では全く劣りません。
確かに比重の観点から考えてアクションと飛距離(単純に固定重心の場合、搭載ウエイトを増やせるから飛ぶだけですが)は出しやすいですが、弱点として個体差が出すぎるのと強度維持がかなり難しいです。
ジャンプライズの開発作業室では木材各種全て削れますから様々な材質を用いて検証をしましたよ。
そもそもウッドって表現って何?って話です。
ウッドといっても材質により比重が異なりますからウッドという表現自体がどうかと思います。例を挙げる比重が大きく異なるバルサ材(気乾比重約0.18)とアガチス材(木乾比重約0.55)を同じウッドと一括りにして表現する事自体がおかしいわけです。
ABSだから水絡みがどうだとか、ウッドだから浮き上がりがどうだとかそんなものは内部構造と比重調整、肉厚設定、アイ角度と水受け面の抗力の調整でどうにでも設定出来てしまう。
ABSの開発技術がここまで進化した今、度重なる実験で私が絶対に勝てないと思った素材はバルサ材だけです。
7センチ程度のプラグを作ろうものならバルサは史上最強の材質でしょう。レスポンスで勝てるわけがない。
でも強度が弱いから青物を狙うようなプラグにはまず使われない。
もちろん一概に言えませんが分かりやすく考えるのであれば気乾比重が低い=アクションは出やすい=木材中に含まれる空気量が多くなる為、強度的に弱いと考えて良いかと思います。
上記の通り、気乾比重0.18のバルサ材は強度は弱いもののルアーアクションを引き出す事に関しては無敵素材です。
では気乾比重0.55のアガチス材だったらどうでしょう?
例えば硬質発砲材で発砲密度を0.6に調整すればアガチス材と同じようなアクションが出せてしまうわけです。
ABSの内部の密度等をしっかり調整して、その素材に近い比重を持たせてあげるような設計をすればABSでも木材同等、もしくは限りなく近いアクションは出せてしまうわけです。
弊社の開発室で先日実験を行ない、バルサや発砲(密度の異なる2タイプ)、気乾比重0.6程度の木材、ABSの5つの材質を用いて全く同じCADデータでララペン125Fを作成しました。
結果やはりバルサ材の圧倒的レスポンスには完敗しましたが他の3つの素材とは同じ領域のレスポンスまで出す事が出来ました。
これは開発環境が整い、自らの目でしっかりと実験&検証したから言える事ですね。自社開発でないとここまで踏み込めません。
なので強度、耐久性、調整次第でいくらでもアクション調整が可能なABS材が私の中ではトータル的に一番優れた素材だという認識です。
私は素材や構造について実験や検証もしないで適当な事を決めつけて言う人が嫌いです。そうなりたくないから毎回しっかりと検証を繰り返します。
本題に戻りましょう。
ララペン125Fはショアから使う事を強く意識しています。
その為、過酷な環境を想定して耐久性、強度重視の設計が必須となります。
その中で機敏なアクションを生み出し浮力を確保する事が求められるわけです。
125mmというサイズの中に1.2mmSUS304硬質ステンレスワイヤー、内部肉厚を安全基準値の2mmに設定した場合、内部の残+比重(簡単に言えば残浮力)は少なくなり、その中でどのように重心配置をして、どれくらいの成型ウエイトを乗せる事が可能なのか?
ここら辺は比重の低い木材を使えば簡単にアクションは出せるけど、ABSでいかに木材の領域に迫れるかが設計力の見せどころになるわけです。
難しい話になりましたが、結果、テスト釣行でも実績抜群の素晴らしいサンプルが完成していますので、もう少しテストを繰り返して来年の発売を予定しています。
ララペン125F♪こちらもお楽しみに♪